たわいもない日々の雑感を綴ってみたいと思いまする。

厚揚げ
まいどの昔話で恐縮なのですが、二十歳過ぎまで私は厚揚げを食べたことがなかったのであります。もちろん、その時点ですでに二十年以上の歳月が過ぎているわけで、当然その中では厚揚げを好むと好まざるとにかかわらず食膳にそれが登場することはもちろん幾度となくあったわけなのですが、なぜかそれに箸をつけることはなかったのであります。

べつに明確に嫌いな理由があったわけではないのですが、あえていえばあの表面のごつごつとした感じと、色合いがちょっと”キモ”だったのだとおもっているのです。
そうです、私は食わず嫌いの権化なのであります。
いまだにその基本属性は変化することが無く、ごくごく最近でしたらゴーヤがあきまへん。理由はやはり、あの表面のごつごつとしたあの感じが堪らなくいやいやなのであります。

さて、そんな私が厚揚げを食すに至ったのは、しばしば「社」に居候させていただいていたのですが、ここでの食事には頻繁にこの厚揚げが登場したのであります。なぜかといえば、この「社」のすぐ近くにお豆腐屋さんがありまして、いかなる縁か、いつからのお付き合いかは知らないのですが、世間で白い目で見られることがとかく多かった私たちに、とても好意的なお豆腐屋さんだったので、こちらとしても大変贔屓にしていたわけなのであります。

私はこの目で見たことはないのですが、聞いた話によると店の中にマルクスの肖像画がかかげてあるとかないとか、「社」内的な公称は「マルクス豆腐店」、ちょっとレアなお豆腐屋さんなのでした。

てなわけで、実に頻繁に厚揚げがお膳に上がったのであります。当時極貧だった私が、好き嫌いいえるような立場ではなかったので、かなりの抵抗をこえて、きざみネギと鰹節ののった厚揚げを箸でつまんでくちにいれて思ったこと、「うっうまぁあい!」。
と同時に、長年にわたってコイツをスルーしてきたことをあらためておもうと、とっても損をしたようなネガな気分になったものでした。

それからは、強火でチョット焦げ目をつけ、きざみネギをのせた厚揚げはすっかり好物にランクアップし、炉端焼き屋や、飲み屋の定番メニューとなったのであります。
今日はお仕事のお付き合いで小一時間ほど、一杯飲み屋で生ビールをいただきながら、厚揚げ君を箸でつまんでいてふとそんなことを思い出したという、たわいもないお話でありました。お粗末!


すっかり夏バテの三毛猫みこ 夏本番はこれからだぞ!
 一丁焼き鰹でもふるまって精をつけてもらうか。
みこ

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