たわいもない日々の雑感を綴ってみたいと思いまする。

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「報道の品格」
肩こり指数 ★☆☆

ブログワールド、特に政治系となると”出会い頭の事故”を避ける必要が感じられることがままある。
かくいう私もまた、そんな一時停止を守らない暴走車のたぐい、否、武装した装甲車に近いだろうか。

とはいえ、政治の要諦のひとつは、より多くの同意を獲得し、一つの意志に纏め上げられるかというプロセスであるわけで、バーチャルではあってもパブリックな時空間を共有しているブログワールドで、どん引きものの言説や言論姿勢では支持をえられないことはいうまでもない。それは、未熟者の私でもいつも頭の片隅に必ず置いている。はじけ飛んでしまうこともあるが。白旗を揚げる必要はないが、潔く引くことも大事だし、時にじっとがまんで”スルー”せねばならないこともある。

そんな”出会い頭”の予感からちょっとコメントを控えていた愚樵さまのところへ、新年のごあいさつということで久々にコメントを入れさせていただいた。ちょっと話の腰を折るような書き方がいやらしかったかなと、しばし反省。年末から年明けにかけて”お仕事の考察”記事がつづいているので、たいへん興味深く読ませていただいていた。

最新の記事は「キメラな労働観」。そのなかで品格の低い記事として引用されていた、サンケイ君の記事。

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“ごね得”許した「派遣村の品格」 費用は6千万円大幅超の見込み

 「不平を言えば融通が利く。みんな“ごね得”だと気付いている」。4日閉所した東京都の「公設派遣村」を出た男性(34)は“村”での生活をこう皮肉った。派遣村では開所以来、行政側と入所者の衝突が絶え間なく続いた。職員の口のきき方への不満に始まり、昼食代の現金支給を求める入所者…。当初、目的だったはずの就職相談は不調に終わり、職員は最後まで入所者への対応に右往左往した。

就労相談わずか1割

 都は3日夜、この日退所した833人のうち住居を見つけられなかった685人のため、4日以降の新たな宿泊先に400人分のカプセルホテルを用意。残りの入所者には、都の臨時宿泊施設を割り振ることを決めた。

 だが、いざこざはここでも起きた。入所者の1人は冷笑を浮かべて言う。

 「その夜も『なぜ全員がホテルに入れないのか』と騒いだら泊まれることになった」

 入所者の抗議と厚労省などの後押しで、都は決定を覆す。抗議の数時間後にはカプセルホテルを追加で借り上げた。「騒ぎが大きくなったので…」と職員は言葉少なに語るのみだ。

この1週間で本来の目的の就労・住宅相談に訪れた入所者はわずか1割。「正月休みに相談しても仕方ない。派遣村では一時金がもらえるとのうわさもあった。それ目当てで入った人も多い」との声も漏れた。

一方で、自力で社会復帰への第一歩を踏み出した入所者も。退所を選んだ男性(67)は「入所中に友人の会社に就職が決まり、社宅に住めることになった。年末年始に泊めてもらって感謝している。食事もおいしかった」と語った。

 だが、この男性のように新たな職や住居が決まったのは少数だ。利用者数は当初の想定を超え、約6000万円と考えられていた費用も大幅に膨らむ見込み。費用はすべて国の負担で、都の幹部は「結局、政治のため」とぼやいた。

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実は私もこの悪意に満ちたこの記事をみて、憤りを感じ何か書こうかと思っていたのだ。おもわず一言二言いわずにおれないというやつだ。ところが、うかつにもどこのサイトで見たのか思い出せず、毎度のことながらまぁいっか、あとにしようと思っていたところだった。見つけた以上は黙ってはいられない。

そもそも、いぜん「産業予備軍」http://kangun.blog123.fc2.com/blog-entry-200.htmlという記事で書いた事なのだが、資本主義という生産様式は、生産手段と労働力の分離を前提に、資本の自己増殖を目的として、無秩序無政府的に、社会が存続のために必要とする物資の生産を、私的におこなうことを特徴としている。生産はたえず膨張と縮小をくりかえすので、それに対応する”労働力のプール”としての「産業予備軍」はこの生産様式が成立するための必須の条件なのである。

それは、いいかえれば、だれもがもれなく働く事を許さない社会だということができる。完全雇用などはなっから原理的にありえないのだ。しかし、生産手段から切り離され、原則として労働力を商品として売るより生きるための糧をえることができない者たちが、売れ残りとなったとき、いったいどうしたらいいというのだ。
出来過ぎた農産物は生産調整のもとブルトーザーで押しつぶされ破棄される。過剰生産の工業製品は在庫として倉庫にうずたかく積み上げられる。
だが、労働力という商品は血の通った”命”だ。日々「衣食住」がなければ失われてしまう”命”なのだ。

私はサンケイ君に欠落していることは、あるいは意図的に悪意をもって隠蔽しようとしているのか、はたまた階級的憎悪か、そうした社会的関係性を捨象して、まいおなじみの個々人の「自己責任論」を持ち出していることだろうとおもう。

彼らはどこかで家に暮らし、何らかの仕事をしていままで生きてきたのだ。社会を支えあう一人だったはずだ。
彼らの労働が不十分でこのたびの「100年に一度の経済危機」やってきたのではないことなどだれでもわかること、彼らが一生懸命働かなかったのでリーマンショックがもたらされたという人はいないだろう。
そもそも、個々人の労働能力がデフォで備わっているのではない。それぞれ個別具体的な精神と身体的能力に生活環境に規定された社会的リソースを利用し労働能力は形成される。個々人は社会にその能力を還元し、社会は個々人を構成員として尊重する。それがあるべき本来の社会のありかただとおもう。

派遣切りで仕事と住まいを失った方々に「ごね得」と罵声をあびせかけるサンケイ君に「報道」の社会性などは一片も感じ取ることはできない。まさに、「報道の品格」をあらためて問わざるおえない。かくのごとき記事を書いたものは、いちど派遣切り密着取材と銘打って雪舞う寒空のもと彼らと寝起きをともにしてみれば、多少はロドスがみえるかもしれない。もしそれでもわからないのなら、社会から捨てられた棄民は必ず大きなうねりとなって社会へ再登場するだろう。そうして社会は進歩してきたし、歴史はそうしてつくられてきた。


捨て猫だったうりちゃん 春が来れば10歳 去年の秋から具合が悪い 
膝の上に上がりたがる 残された時はあとわずかかもしれない
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社長『島耕作』批判も頼む
漫画週刊誌『モーニング』の看板漫画『社長 島耕作』批判を薩摩長州さんにお願いしたい。
同誌の今並んでいる号の『ドランゴン桜』も超氷河時代の就職難を『自己責任で切り抜けろ』とこれも見逃すことが出来ない論理展開だ。

書いておられる産経新聞は拝見したが、施設内での禁止された酒や煙草のことにふれ、不真面目な入所者からは返還金を求めると煽っている。
多分、入所者の中にはアルコール依存症者が含まれており、真面目であっても病気だから連続飲酒になってしまう方もいると思う。
追い出すのではなく、この場合は病院へ入院を薦めて、退院時に病院が住所になって保護申請をして、アパートへ、次に生活保護から求職してもらうことになるのがいいと思う。
下司孝之 | URL | 2010/01/07/Thu 23:06[EDIT]
宿題ということで お許しを
お返事遅くなりました、毎度のことではありますが失礼いたしました。

島耕作っていうと課長だとおもっていたのですが、社長までのぼりつめたのですね。私、漫画はほとんど読みませんので、医龍、エンジェルハート、蒼天の拳を愛読しているくらいです。

とはいえ、下司さまからのご指導とあれば、ひとつこれは読んでみようかとおもっています。こんどTSUTAYAにでも行った際にはコミックをさがしてみようとおもいます。

まあ、そんなわけで、速攻というわけにはいかないありさまですので、今年の課題&宿題ということで、よろしくお願いします。

コメントいただきありがとうございました。
薩摩長州 | URL | 2010/01/17/Sun 23:37[EDIT]
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